エアコンは取り付け・取り外しの手間がかかる上に、サイズ・重さともに大きいため、いざ不要になると処分に困ることが多い電化製品のひとつです。
処分するにはリサイクル料金の支払いが必要になるため、自治体のごみ回収や粗大ごみに出すというわけにもいきません。
「古いエアコンを処分したいけど、捨て方がわからない」
「できるだけ手間をかけずに処分したい」
「なるべく安く、お得に処分したい」
今回は、こんな悩みをお持ちの方向けに、エアコン処分にかかる「リサイクル料金」と合わせて、手間や費用がかからない捨て方についても解説します。
〈目次〉
エアコンの処分料金
エアコンのリサイクル料金
なぜリサイクル料金が必要なのか?
・運搬料金
・支払い方法
家電リサイクル対象エアコンの見分け方
エアコンの主な処分方法
1.指定引取場所に自分で持ち込む
2.家電リサイクルセンターに依頼する
3.家電量販店(販売店)に引き取ってもらう
4.不用品回収業者に回収してもらう
まとめ
エアコンの処分料金
エアコンを処分する場合、基本的には「リサイクル料金+収集運搬料」がかかります。
※エアコンの取り外し作業を依頼する場合には別途5,000円~8,000円程度別料金がかかります。
エアコンのリサイクル料金
処分時にかかるエアコンのリサイクル料金は、メーカーによって異なります。
〈エアコンのリサイクル料金の例〉
メーカー | リサイクル料金(税込) |
---|---|
シャープ(株) | 990円 |
ダイキン工業(株) | 990円 |
東芝ライフスタイル(株) | 990円 |
パナソニック(株) | 990円 |
パナソニック(株)/三洋電機 | 990円 |
富士通ゼネラル(株) | 990円 |
三菱電機(株) | 990円 |
ハイセンスジャパン(株) | 990円 |
アイリスオーヤマ(株) | 2,000円 |
(株)山善 | 2,000円 |
(株)ニトリ | 2,000円 |
家電リサイクル法対象の4品目の中でも、エアコンのリサイクル料金は比較的安いです。
洗濯機・冷蔵庫・テレビはどれも2~4,000円を超えますが、エアコンはほとんどのメーカーが1台990円。同一メーカーで同日の処分であれば、エアコンの室内機・室外機を合わせて1台分の料金で処分できます。ただし、中堅メーカー製エアコンの料金は2,200円とやや割高です。
その他メーカーのリサイクル料金については、「再商品化等料金一覧」であらかじめ検索しておきましょう。
〈参考URL〉
再商品化等料金一覧(家電リサイクル料金)
なぜリサイクル料金が必要なのか?
冒頭でも説明した通り、エアコンは自治体のごみ回収や粗大ごみとして処分することができません。
なぜなら「リサイクル法」の対象品目に該当するからです。
家電リサイクル法は、限りある資源の再利用や廃棄物の減量を目的として、2001年に完全施行されました。
不要になった家電製品から使える部品などを取り出し、再資源化を推進するための法律です。
家電リサイクル法施行までは、廃家電は一部の金属部品を除き多くは埋め立てられていました。リサイクル家電4品目は大型で重く、金属(鉄、銅、アルミなど)やプラスチックなどの資源がたくさん含まれているものの、内部に非常に固い部品が使われるなど自治体の粗大ごみ処理施設での処分が難しいためです。
当時、埋め立て地の減少しつつあることも懸念されており、廃棄物の減量、部品・素材のリサイクルを図り循環型社会の実現を目指すため、家電リサイクル法がつくられました。
【リサイクル家電4品目】
エアコン・テレビ(ブラウン管・液晶・プラズマ)冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機
私たち購入者は、再資源化にかかるコストを負担する義務があります。
そのため、エアコンに限らず家電リサイクル法に定められた対象家電の4品目については処分時に「リサイクル料金」の支払いが必要です。
<参考動画>
廃棄物処理施設探検隊~家電リサイクル施設編
〈参考URL〉
経済産業省「家電リサイクル法特設サイト」
収集運搬料金
リサイクルを行う廃家電は、各地域の指定引取場所に集められた後、各メーカーの再資源化施設に運ばれます。収集運搬料金は、回収したリサイクル家電を自治体が設置している「指定引取場所」へ運搬するためにかかる費用です。
収集運搬料金の相場は1台につき2000~3000円ほど。処分方法や回収業者によって異なります。
複数台のエアコンを処分する場合には、リサイクル料金・運搬収集料金ともに台数分料金が発生します。
支払い方法は3種類
・指定引取場所への持ち込む場合:「料金郵便局振込方式」
・家電量販店で回収、持ち込む場合:「料金販売店回収方式」
・家電リサイクル受付センターの収集を依頼する場合:「回収の当日現金払い」
また、不用品回収業者を依頼する場合にも当日現金等での支払う場合がほとんど。
「料金郵便局振込方式」
郵便局・ゆうちょ銀行窓口で専用の振込用紙を用いて、リサイクル料金を支払い、家電リサイクル券を受け取ります。振込手数料は自己負担です。ATMゆうちょ銀行atmから振り込みもできますが、印刷されたご利用明細票(振替受付票)を窓口へ持参する必要があります。
「料金販売店回収方式」
収集運搬料金とリサイクル料金を取扱店も直接支払うため、家電リサイクル券の購入は不要です。ただし、現金やクレジットカード、前払い・後払い等、支払い方法の詳細については、店によって異なります。リサイクル料金に支払い方法は「料金郵便局振込方式」「料金販売店回収方式」のどちらに該当するかは、処分方法によって変わりますので、事前購入は避けましょう。
振込で支払う場合は、郵便局・ゆうちょ銀行の窓口で料金を支払い家電リサイクル券を購入します。
振込手数料も自己負担です。ゆうちょ銀行atmを利用することも可能ですが、この場合は振込完了後に印刷され「ご利用明細票(振替受付票)」を窓口に提出するため、手間がかかります。
販売店の場合は、リサイクル料金を直接お店に支払うため、自分で家電リサイクル券を用意する必要はありません。また、家庭用エアコンはもちろん家電リサイクルの対象品目を処分する場合、リサイクル料金の他に収集運搬料金が発生します。こういった処分にかかる費用は非課税ではないため、消費税込みの支払いです。
リサイクル料金の支払い方法は処分方法によって異なりますので、後ほど詳しく紹介します。
〈参考URL〉
経済産業省「家電リサイクル法特設サイト」
一般社団法人 家電製品協会「料金郵便局振込方式」
一般社団法人 家電製品協会「家電リサイクル券とは」
家電リサイクル対象エアコンの見分け方
家庭で使っていたエアコンを処分する場合は、リサイクル料金の支払いが必要ですが、一部例外もあります。
業務用のエアコンは、家庭で使用したものであっても家電リサイクル法の対象外です。
具体的にどんなエアコンが該当するのか、「対象」「対象外」それぞれ一覧にまとめました。
〈対象〉
・壁掛け形のセパレート形・壁掛け形ガスヒーターエアコン
・壁掛け形ハイブリッドエアコン(石油/ガス/電気併用エアコン等)
・マルチエアコン(室内機は壁掛け形・床置き形が対象/その他の室内機は対象外すべての室内機が対象外の場合は、室外機やリモコンも対象外)
・床置き形セパレートエアコン
・床置き形ハイブリッドエアコン(石油/ガス/電気併用エアコン等)
・ウィンド形エアコン
〈対象外〉
・天井埋め込みカセット形エアコン
・壁埋め込み形エアコン (天袋形、地袋形を含む)
・天吊り形セパレートエアコン
・冷風機/冷風扇
・スポットエアコン
・ウィンドファン
・除湿機
・パッケージエアコン
業務用エアコンの他、付属品など以下のものも引き取りできません。
・ リモコン用電池
・ 別売りのドレンパイプ、配管パイプ、渡り線及び配管カバー(スリムダクト等)などの工事部材
・ 室外機の置台及び屋根
・ 取扱説明書等の印刷物
・ ヒートポンプ給湯機のヒートポンプユニット(エアコンではありません)
・ 外付けのコインボックス
一般社団法人 家電製品協会「対象廃棄物(家電4品目)一覧」
エアコンの主な処分方法
エアコンを処分する場合、基本的には「リサイクル料金+収集運搬料」がかかります。
処分方法によっては、エアコンの取り外し料金や作業費がかかるため、金額はバラバラです。
参考までに、エアコンを処分する4つの方法の手順・費用について、それぞれ見ていきましょう。
1.指定引取場所に持ち込む
・処分費用:リサイクル料金(990円or2,000円)
・支払い方法:郵便局振込方式
・注意点:事前に取り外し、指定引取所まで自己搬入が必要
※主要メーカー以外の場合には2,000円
エアコンを安く処分したい方は、お近くの「指定引取場所」へ持ち込み処分するのが一番です。
取り外しが済んでいれば処分費用は「リサイクル料金」のみ。
自分で持ち込む手間がかかる分、運搬費はかかりません。
〈手順〉
1⃣郵便局でリサイクル券を購入し、必要事項を記入する
2⃣持ち込む指定引取場所に連絡する
3⃣リサイクル券とエアコンを一緒に、指定取引場所に持ち込む
主要メーカーのエアコンであれば、リサイクル料金分の990円で処分可能です。
しかし、エアコンを取り外して車で指定引取場所まで運搬するのは、労力と手間がかかります。
近くに持ち込める場所があるとは限りませんので、まずは指定引取場所を探しましょう。
参考までに、東京23区から利用できる8つの指定引取場所を一覧表にまとめました。
指定引取場所 | 住所 | 電話番号 |
---|---|---|
白井エコセンター(株) | 東京都足立区入谷5-16-28 | 03-3857-0236 |
上昇運輸(株) | 東京都南花畑4-3-18 | 03-5851-8044 |
東亜物流(株) 板橋営業所 | 東京都板橋区舟渡1-17-2 | 03-5914-6440 |
岡山県貨物運送(株) 江戸川事業所 | 東京都江戸川区臨海町4-3-1葛西トラックターミナル2号棟 | 03-5667-7060 |
株式会社LNJ | 東京都大田区京浜島3-3-12 | 03-5755-9100 |
岡山県貨物運送(株) 京浜支店 | 東京都大田区平和島2-1-1京浜トラックターミナル10号棟 | 03-3762-8261 |
MDロジスフィールドサービス株式会社江東営業所 | 東京都江東区新木場1-11-15マルフク産業(株)内 | 03-3522-6980 |
(有)東南流通 | 東京都世田谷区喜多見1-13-2 | 03-5727-1425 |
営業日・時間については指定引取場所によって異なりますので、合わせて確認しておくと安心です。
〈参考URL〉
一般財団法人 家電製品協会 家電リサイクルセンター「都道府県別指定引取場所リスト」
2.家電リサイクル受付センター
・処分費用:リサイクル料金(990円or2000円)+収集運搬料金(3,157円)
・支払い方法:当日現金払い
・注意点:エアコンの取り外し、収集場所までの自己搬出が必要
※主要メーカー以外の場合は合計5,247円
東京都23区では、家電リサイクル法対象の4品目の回収を行う「家電リサイクル受付センター」を利用できます。センターへ連絡することで、委託先の収集運搬業者がエアコンを回収する流れです。
〈手順〉
1⃣家電リサイクル受付センターへ連絡し、申し込みを済ませる
2⃣回収日時に指定の収集場所で引き渡す
3⃣リサイクル料と収集運搬料金を現金で支払う
家電リサイクル受付センターへ依頼した場合の収集運搬料金は税込3,157円です。
業者選びの手間やリサイクル券を発行する手間は省けますが指定された収集場所までは自力で運び出す必要があります。集積場所は、戸建ての場合は玄関先(行動に面した道路沿い)集合住宅の場合はトラックが進入できる指定の集積所です。
また自分で事前に取り外したり、別の業者に依頼して取り外しをしてもらうなど費用や手間がかかります。
〈参考URL〉
東京二十三区家電リサイクル事業協同組合 家電リサイクル受付センター
3.家電量販店(販売店)に引き取ってもらう
・処分費用:リサイクル料金(990円or2,000円)+収集運搬料金(+取り外し作業料金)
・支払い方法:購入時に支払い
・注意点:エアコン買い替えの場合以外は取り外し作業に対応していない場合も
※主要メーカー以外の場合は合計4,000円程度
不要になったエアコンは、家電量販店などの販売店に処分を依頼することも可能です。
店舗によっては、新規購入時に古いエアコンの取り外し作業や下取りを行っている場合も。
ただし、収集運搬料金や取り外しなどのサービス内容については販売店によって異なります。
〈手順〉
1⃣家電量販店にエアコンの取り外し・回収が可能か確認する
2⃣回収OKの場合はエアコン購入時または持ち込み等で予約する
〈販売店のエアコン回収料金の例〉
家電量販店 | リサイクル料金 | 収集運搬料 | 取り外し作業 | その他 |
---|---|---|---|---|
ビックカメラ | 990円~ | 1,650円※買い替え時 | 4,400円~ ※室外機と室内機の階違いなど特殊なばあいは別料金 | 引き取りのみの場合収集運搬料:5,000円~ |
ケーズデンキ | 990円~ | 2,200円※買い替え時 | 6,600円~ ※特殊な場合ば別料金3,300円~ | 引き取りのみの場合収集運搬料:3,300円~2台目以降:2,200円/台 |
ヤマダ電機 | 990円~ | 2,200円※買い替え時 | 6,600円~ ※特殊な場合9,900円~ | 引き取りのみの場合収集運搬料:2,750円回収品の追加:550円/点 |
ノジマ | 合わせて4,070円~ | 購入から31日以降経過の場合収集運搬料:3,300円※料金販売店回収方式 | 6,600円~ ※屋根置き、階違いなど9,900円~ | |
コジマ | 990円~ | 1,650円※買い替え時 | 5,500円~ ※室外機吊りタイプの場合など6,600円~ | 引き取りのみ、2台目以降収集運搬料金:2,750円/台 |
ジョーシン | 990円~ | 1,650円~ | 収集運搬料金はエリア・サイズ・メーカーによって異なる |
リサイクル料金の支払い方法については店舗で直接支払いができる【 料金販売店回収方式 】の店舗がほとんどです。
「エアコンの取り外し」の依頼もできますが、条件や料金は店舗ごとに異なります。
また家電量販店の回収サービスは「新しいエアコン購入時」や「自社で購入したエアコン」のみが対象の場合もあります。新規購入を伴わない、購入店舗・メーカー不明のエアコンについては回収に応じない店舗もありますので、事前の確認が必要です。
〈参考URL〉
ビックカメラ「家電のリサイクル・引取について」
ケーズデンキ「リサイクル回収について」
ヤマダ電機「家電リサイクルお申込み方法」
ノジマ「商品を購入したら古い商品は処分できますか?」
コジマ「廃家電のリサイクルについて」
ジョーシン「家電リサイクル料金」
ベスト電器「家電・PCリサイクル」
4.不用品回収業者に回収してもらう
・処分料金:業者によって10,000~25,000円程度
・支払い方法:当日現金払いの場合がほとんど
・注意点:手間がかからない分、費用が割高
エアコンを手間なく処分したい方や、自分で取り外し・搬出が難しい方は、不用品回収業者がおすすめです。
部屋からの取り外しから運び出しまで、回収に必要な作業はすべてスタッフが対応します。
料金は当日まとめて支払いますので、リサイクル券を発行する必要もありません。
※取り外しの対応ができない業者もあるので必ず予約の前に確認をしてください。
〈手順〉
1⃣不用品回収業者に連絡する
2⃣見積もりを受け取り、依頼する業者を決める
3⃣当日回収に来てもらい、作業後に料金を支払う(前払いの場合も)
回収日時についても調整できる上に、処分に手間と労力がかからないことが、不用品回収業者のメリット・強みです。しかしその分、他の処分方法と比べて費用は割高です。中には、収集・運搬に必要な許可を得ていない「無許可」の業者や、不法投棄などの違反行為を行う悪質な不用品回収業者も存在します。
こういった業者に被害・トラブルを避けるためにも、優良な業者を見極めが必要です。
まとめ
・大手メーカーエアコンのリサイクル料金は990円
・リサイクル料金の支払い方法は「郵便局振込方式」「販売店回収方式」「当日現金払い」の3種類
・収集運搬料は処分方法によって異なる
・取り外しの作業台は別途必要
・手間なく処分するのなら「不用品回収業者」がおすすめ
不要になったエアコンを処分するには、必ず「リサイクル料」がかかります。
料金はメーカーによって異なりほとんどの処分方法で「収集運搬料」も別途必要です。
指定引取場所へ持ち込み処分すれば収集運搬料はかかりませんが、サイズ・重量ともに大きいエアコンの運搬は簡単ではありません。また、多くの処分方法で事前にエアコンの取り外しや収集場所への運び出しが必須です。
こういった手間をかけずに処分するのなら、「不用品回収業者」への依頼がおすすめ。すべて取り外しから回収まで、一連の作業をスタッフが行うため、ラクに手放せます。
弊社グリーンズリサイクルでは、東京都23区のエアコン回収に対応しています。トラック1台5,500円の定額積み放題プランなら、エアコンだけでなく家中に不用品をまとめて引き取り可能です。また取り外し作業も1台2,200円で承っており、大変お得に処分できます。
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